沖縄県
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文化環境部 自然保護課
エコツーリズムと保全利用協定


エ コツーリズムと保全利用協定制度の紹介


■エコツーリズムとは
 エコツーリズムとは、エコロジー(ecology:環境保全)とツーリズム(tourism:観光)を足して作られた言葉であ り、自然や歴史文化を体験しながら学ぶとともに、 その保全にも責任を持つ観 光のあり方です。エコツアーとは、エコツーリズムの理念を具体化した観光ツアー商品です。
 エコツーリズムでは、自然資源・文化資源を保全しつつ、自然や文化の体験・学習をツアープログラムとして提供することで、従来型の観光よりも深い満足感 や環境教育的効果を利用者に与えることができます。
そして、それが経済的に成り立つことができれ ば、地域の自然や歴史・文 化を尊重し、守っていく行動にへとつながり、環境と経済の好循環が期待されます。
 
エコツーリズムは、「資源の持続なくして観光は成立せず、地域住民の参画なくして資源は守れず、 経済効果なくして住民の参画は望めず」という相互に関連する3つの認識の上に成り立った、自然保護と観光産業との融合の形であると言えます。
 本来、エコツーリズムは、途上国などにおいて自然保護のための資金調達手法として取り入れられた考え方でしたが、今日では、 持続的な観光の1つのあり方として先進国でも展開されるようになりました。

■沖縄県におけるエコツーリズムの定義
 エコツーリズムの定義には定説がなく、提唱する団体や機関の立場によって表現が異なっていることから、沖縄県では、平成16年3月に策定された「沖 縄県エコツーリズム推進計画」 において、沖縄におけるエコツーリズムを(1) 自然・文化・歴史の適切 な保全と持続的な活用、(2)地域の活性化、(3)訪問者が適切な案内をうけて地域の自然・歴史・文化とふれあう活動、という3つの要素を満たす観光の 考え方と定義しました。
 この3つの要素を満たすツアーがエコツアーと呼ばれ、資源の保全が考慮がされていないツアー、地域への経済的還元という視点が欠けたツアー、単なる自然 体験のみを目的としているツアーなどは真の意味でのエコツアーとはみなされません。

■エコツーリズムの推進によって期待される効果
●教育的効果
 ツアー参加者においては、エコツアー体験をとおして自然や文化に興味を抱くことで、それらの保全に対する意識の向上、日常生活における環境保全行動につ ながるこ とが期待されます。
 また、地域住民においては、地域の自然や文化の価値を再認識することで保全意識が向上し、保全のための行動につながることが期待されます。
●地域の自然や文化の保全に貢献
 誘客による地域経済への貢献効果を継続するためには、観光資源である自然環境や伝統文化を持続的に保全していく必要があることから、資源管理のための調 査や保全と利用のためのルールの整備、清掃活動など維持保全のための活動が行われることが期待されます。
●地域の活性化
 エコツーリズムは地域の特色を誘客に活かすことがその特徴であり、地元住民をガイドに活用することによる雇用効果やツアー参加者に提供する食事への地場 産品の使用などのように、一般的な観光よりも地域産業にもたらす経済波及効果は大きいと期待されます。
 また、地域住民と旅行者のふれあいや外部からの注目などにより、地域住民自身が地域に対する認識を深め、地域への誇りと愛着を感じることで、より活力の ある地域に変わるという社会的効果が期待されます。
 
■エコツーリズムを推進するにあたって
 エコツーリズムを推進するにあたっては、エコツアーの対象となる地域の資源(自然や文化)を保全するための配慮が不可欠であり、資源を持続的に保全・利 用していくためのルールを策定し、ガイドなど の関係者間でそのルールを守っていくことが重要です。
 しかし、近年、沖縄県内各地においても自然体験型の観光プログラムが新たな産業として関心を集める反面、過剰な観光利用や自然環境保全への配慮がない観 光事業者等による自然環境の荒廃が懸念されていることから、沖縄県では、地域の資源を保全・利用するためのルールである保全利用協定制度の普及に取り組ん でいます。

■保全利用協定
 保全利用協定※1とは、沖縄県内において環境保全型自然体験活動※2(い わゆ る「エコツアー」に該当)に係る案内 及び助言を業 として行う者(以下「事業者」という。)が、環境保全型自然体験活動を行う場所の保全を目的として策定・締結するルールのことで、その内 容が適切なもので あれば、沖縄県知事がこれを適当なものとして認定することができます。
 保全利用協定制度は、地域の資源の保全と利用に責任がもてる事業者の活動を支援することで、エコツーリズムの理念に沿った自然体験活動が促進されること を目的として沖縄振興特別措置法に盛り込まれた制度です。

※1 「保全利用協定」
 沖縄において環境保全型自然体験活動に係る案内及び助言を業として行う者は、環境保全型自然体験活動の実施に関する協定(以下「保全利用協定」とい う。)を締結し、当該保全利用協定が適当である旨の沖縄県知事の認定を受けることができる。
沖 縄振興特別措置法第21条第1項

※2 「環境保全型自然体験活動」
 その参加者が、地域の自然環境について知識を有する者から案内又は助言を受け、当該地域の自然環境の 保全に配慮しつつ当該地域の自然と触れ合い、これに 対する理解を深めるための活動。(
沖縄振興特別措置法第3条第5号


■仲間川地区保全利用協定の紹介
●経緯
 仲間川地区保全利用協定は、同制度の利用第1号として、西表島の仲間川で活動している遊覧船2事業者、カヌー3事業者の計5事業者によって策定・締結さ れ、平成16年6月に沖縄県知事の認定を受けました。(平成19年4月 に 更新、平成22年2月更新済)
 同協定は、仲間川で活動する事業者自らが、地域住民や関係者等の意見を聴きながら自主的にルール作りを行うことで、地域の実情に即した具体的かつ実効性 のある協定となることを目指して策定・締結されました。
●主な内容
 同協定には、「自然環境」、「安全管理」、「地域住民の生活・伝統文化」などの配慮事項が定められています。具体的には、マングローブ林保護のための遊 覧船の運航速度規制、狩猟者・漁業者への配慮などが明記されています。
●効果
 同協定締結の効果として、「自然環境の保全意識の向上」、「安全に関するルールの遵守」、「地域住民、事業者同士、行政機関等との定期的な意見 交換の場の確保」などが事業者から指摘されています。
●さらなる改善
 平成19年4月に同協定は改訂更新され、徐行区間の増設、2ストロークエンジン船の使用自粛、曳き波が立ちにくい遊覧船の追加導入、滞在時間を長く設定 し 自然解説を充実させたツアーメニューの開発・導入等が追記されています。また、平成22年2月には、潮位による遊覧船の運行制限、カヌー利用において干 潟への1日あたり入域人数の制限等が追加されています。
●その他
 平成17年5月発表の第1回エコツーリズム大賞(環境省)に おいて、同協定が他の地域の先駆的事例になり得るとして特別賞を受賞しました。また、仲間川流域に自生しているサキシマスオウノキの大木を観光客の踏圧か ら保護するために整備された見学用テラス改修費用の一部負担などの取り組みが行われています。

協 定の名称
仲 間川地区保全利用協定
協 定区域
仲 間川及び周辺の森林(自然休養林(仲間川地区)と森林生態系保護地域 保存地区を含む)
有 効期間
平 成22年2月12日〜平成24年3月31日
締 結事業者 名
1 株 式会社東部交通 (代表取締役 玉盛雅通) ※仲間川地区保全利用協 定締結代表事業者
2 マ リンレジャー金盛 (代表者 金盛良克)
3 南 風見ぱぴよん (代表者 山元俊雄)
4 ち ゅらねしあ (代表者 八幡暁)
5 シー カヤックツアー海月 (代表者 金田克己)
主な内容

◆自然環境への配慮
  ・マングローブ林保護のための遊覧船の運航速度規制
  ・徐行区間の設置
  ・曳き波の立ちにくい遊覧船の導入
  ・2ストロークエンジン船の使用自粛
  ・1時間あたりに使用 する遊覧船の数の上限設定
  ・潮位による遊覧船の運行制限
  ・カヌーツアー1パーティあたりの艇数の上限設定
  ・カヌー利用者数制限
  ・野生生物の採集の禁止
  ・河川や海での食器類の洗浄の禁止
  ・事業者合同によるゴミ拾い
  ・フィールドの観察記記録
  ・ツアー参加者にマングローブ林の役割や同協定の意義などについて説明し理解を求める

◆地域住民の生活・伝統文化への配慮
  ・イノシシ猟の期間中は仲間川沿いの山に入らない。
  ・停泊中の船舶がいる場合は大きな曳き波を立てないよう最徐行で通過する。
  ・ガザミ漁の道具に触れないようにする。
  ・地域住民との話し合いの場の設置を定期的に設けフィールドの観察記録の報告と意見交換を行う。


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